第9回 大阪ほんま本大賞

大阪の本屋と問屋が選んだ「ほんまに読んでほしい本」”大阪ほんま本大賞”の季節がやってきました。

第9回大阪ほんま本大賞は

『妹背山婦女庭訓魂結び』大島真寿美 文春文庫

に決まりました。

869円(税込)
浄瑠璃作者・近松半二の生涯に、虚と実が混ざりあい物語が生まれる様を圧倒的熱量と義太夫の如き心地よい大阪弁で描く直木賞受賞作。

幼少のころから父親に連れられて道頓堀の操浄瑠璃の小屋に通っていた半二は、ある日、近松門左衛門ゆかりの硯を受け継ぐ。操浄瑠璃にしか興味がなく学問が出来るわけでもない半二はやがて家を出て流浪するが、操浄瑠璃は半二を魅了して止まず導かれるように道頓堀に帰り筆を取る。

この本の読みどころは当時最先端のエンターテインメントであった歌舞伎、操浄瑠璃に関わる人々のリアルな人間模様です。作者、太夫、三味線、人形遣い、道具方、座本、様々な人々の喜怒哀楽が読み手の中で躍動します。そして傑作を書くために苦悩する半二の姿は、何かを成し遂げる苦しみは今と変わらず、時代を経て力をもらえる気がします。

今回も恒例のリアルPOPにて物語の世界を再現していますので是非ご来店の上ご覧ください。